多職種協働のデメリットとは?

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「協働」するデメリットもある

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人間関係がドライになっている

一昔前に比べると今は人間関係が希薄になっています。「飲みニケーション」や「同じ釜の飯」という言葉を聞いたことはないでしょうか。かつては人間関係をスムーズにするためにウェットなコミュニケーションを取っていたのです。しかし、これらのコミュニケーション方法は勤務時間外に行われることが多く、さらに同じ職場に長年勤務することが前提のため、仕事とプライベートの両立が叫ばれている今にはそぐわない方法です。人材の流動性が高くなっていることもあり、このようなウェットなコミュニケーションを取っている職場はあまり多くないでしょう。

希薄になっている理由とは?

スタッフ同士のつながりが希薄になっている理由として考えられるのは、各職種の専門化が進んでいることでしょう。現代社会はさまざまな専門家集団によって支えられています。専門家集団はそれぞれの専門性を追求する傾向があり、独自の世界観や文化を築いています。医療・福祉の分野がその最たるものです。そのため、医療・福祉分野の職能団体の倫理綱領には「他職種の尊重と連携」という項目があり、他の職種との連携が重要なことを示しています。つまり、倫理綱領で定めなければならないほど、医療・福祉分野の専門家は自らの専門性の追求に向かいやすく多職種と交わりにくい状態にある、ということです。専門性の追求が進めば進むほど、職種間にコミュニケーションギャップが生じやすくなります。
このコミュニケーションギャップが連携するうえで大きな問題となるわけですが、異なる職種同士がお互いに分かり合うというのは難しいものです。そもそも、独自の世界観を築いている専門家は他の専門家の持つ世界観に共感したり、同調したりするのが難しい傾向があります。自然に任せておけば連携するどころか、かえって排除し合うようになってしまうでしょう。お互いに分かり合えないことを前提として、コミュニケーションを取っていかなければなりません。

思いがけないリスクが生じることも

連携するうえで問題となるコミュニケーションギャップは思わぬリスクも生み出します。なぜなら、お互いの行動や思考が異なるにもかかわらず、「相手はこう考えている」「こうしてくれるはずだ」という思いこみがあり、それが行き違いや事故につながってしまうからです。
連携することでより適切なケアができるようになります。それは、連携によって相乗効果が生まれ、1人ひとりの力が単純な足し算以上の力を発揮するからです。しかし、専門家として最善を尽くしても、チーム内のコミュニケーションギャップを埋めなければかえって悪い方向にいってしまうでしょう。ベースが異なる人同士が連携することのデメリットもよく理解しておかなければなりません。

多職種協働で視野を広げたい方に

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